『羊と鋼の森』宮下夏都
我が家にも昔ピアノがあった。
この本を読んでつらつらおもうに、我が家のピアノはかわいそうなピアノだった。
申し訳ないと思った。
なぜなら、「私のピアノ」という立場にありながら、
私の愛情があまりなかったからである。(つまりどういうことだ?練習しなかった?いい音楽はできなかった?)
*
この本はとても人気のあった本で、
私は今まで読んではいなかった。
きのう、
図書館に行ったとき
棚においてあるのを見つけ、
即、借りてきた。
*
初めの数ページをめくりながら
なんと美しい文章かと思った。
すぐに引き込まれた。
北国の
森の匂いが、風が、水の流れが、そこに漂うような。
孤独な青年の心と一緒にそこにいるような。
彼は
自分の育った、何もないと思っていたその森が
自分をまっすぐに育ててくれたということを、やがて気づいていくのだろうか。
むしろありがたい自然、一般の人には得られない自然なのだと思う。
2016年本屋大賞受賞。
2018年、山崎賢人君主演で映画化もされているようだ。
ネットで見たら、その映画の、森の映像がとても美しかった。
音楽もいいようで、いつか観てみたい。
主人公はこれからも「羊と鋼の森」を力強く、歩んでいくことだろう。
先を知りたい。
内容(「BOOK」データベースより)
ゆるされている。世界と調和している。それがどんなに素晴らしいことか。言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。ピアノの調律に魅せられた一人の青年。彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。
(2015/9/11)19
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