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2019年3月 8日 (金)

去年の暮れのことでした

金曜日、午後から美容院へ行く日。

私の担当の女性とは療養中の彼女のお母様の話をする。

その時、私はよく自分の経験を話す。

「親孝行は、結局自分のため、できることはやったほうが、

そのあとの自分が幸せな気持ちになれる。」などと。

自分の子供にも近い年だから、つい上から目線、説教じみたことを言ってしまう。

(先日美容院に行ったとき、彼女のお母様が暮れに亡くなったことを聞いた。そこでお悔やみを言いつつ、こころがほんわかしたので、彼女とお母様のことを思って、忘れないように勝手にまとめてみました。なので、ここから下は、主語は彼女です。)

   *     *

今日は火曜日、仕事は休み、

予定通り母のところにお見舞いに行った。

「お母さん、こんにちは!元気!」

大きな声で言うと、

母の口元が少し緩んで、微笑んだ気がした。

聞こえているかな、私が来たってわかってくれたかな。

施設に入って間もなく3年

母は毎日平和に過ごしている。

父はバスに乗って、ここにお見舞いに来るのを日課にしている。

行くたびに

体力は弱くなっていくようで、

最近は施設からも

何度もそう言われている。

心配だけれどこちらも仕事がある。

がんばってほしいな。

仕事中に電話が鳴ると

ドキッとする。

そんなある日のこと、

12月、寒い中にも穏やかな陽が射す昼下がり。

入り口の自動ドアが静かにスーッと開いた。

ふわっと風が入り、

その風は鏡の前の私をなでるようにスーッと通って・・・

しばらくして

ドアは静かに閉まった。

「いらっしゃいませー」と言いかけて

ドアの方を見たが

実際には誰の姿もなかった。

でも

私には見えた、と思う。

元気な母の姿が。

ニコッ!って笑って、

お店の中をぐるっーと見渡して、

「お客さんでにぎわっているわね。

良かった良かった。

お仕事頑張って・・・」

きっとそう言っていたと思った。

夕方電話が鳴った時には、

不思議なほど落ち着いていた。

だって、さっき来てくれたものね。

ありがとう,来てくれて。

ありがとう、こちらこそ。

お互いに感謝し合う母と娘であった。

   **

以前は

お母さんを車で迎えに行って

お店でヘアカットなどをして、また都内の家に送って帰ってもいたという、

親孝行な娘さん。

今は

自分がやれることはやったという気持ちで

何の悔いもないという。

そうだね、そうだね。よくわかる。

これからも

お互い、がんばって生きていこうね。

胸張って・・・上を向いて

 

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