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2017年1月26日 (木)

『ヌメロ・ゼロ』ウンベルト・エーコ

風邪で寝ている中読み終えた本。

進みが遅く、内容もなかなか捕まえられない。

つまり、良く寝られたということになる。

やっと・・・である。

    *     *

全世界で1000万部以上売れているベストセラー『薔薇の名前』を著した
イタリアの知の巨人ウンベルト・エーコの最新作であり最後の作品。

新聞の紙面がいかにして「作り上げ」られていくか。

その前の練習版と言うことで。

「ヌメロ・ゼロ」とは「ゼロ号」のこと。

その編集のために集められた記者たちが

実際にイタリアで戦後起こった事件などの記事などを書く。

筆者はジャーナリズムに対して警鐘を鳴らしている。

情報化社会の中で、何が正しくて何が正しくないかを個人がしっかりとらえることができるのか。流されてくる大量の情報を無意識に受け入れてはいないか。

センセーショナルに取り上げられる情報を見分けられることができるのか。

これは

洋の東西を問わない。

この本は悪しきジャーナリズムの手本ともいえる、テクニックの数々、曖昧に書きながら読み手を一定の方向に誘導したり・・・真実だけを語りつつ特定の人物に疑惑の影を落とす方法とか、そういう小賢しい手のマニュアルのようだ。

メディアの世界を知り尽くしているエーコならでは、の作品である。

多くの情報の中で

私たちも、何を信じるかが重要になってくる。

それには自分自身が確立されることが必要になるのだが…

また「記憶」の大切さも述べている。

もちろんそれは大事である。

    *

これは、いささか私には自信が無くなってくる。

せめて自分のことはブログに書いて記録するしかないだろう。

アハハ、まったく次元が違う…

   *

なかなか

読みごたえのある、手ごわい本でありました。

内容(「BOOK」データベースより)

「握りつぶされた真実を告発すること」を目的とした新聞の創刊を目指し、パイロット版として「ヌメロ・ゼロ(ゼロ号)」の編集に取り組む記者たち。しかしその新聞発行の裏には、出資者の利益を図る企みが潜んでいた。そして編集会議で日々繰り広げられるのは情報操作のテクニック。そこに見られるのはまさしく、歪んだジャーナリズムのお手本のような実態だった。一方で、未解決のテロ事件、ローマ法王の死をめぐる疑惑、ムッソリーニをめぐる陰謀説など、歴史の闇に葬られ忘れ去られた事件にふたたび光をあてようと調査を進める一人の記者。彼の命が狙われることで事態は意外な展開に―知の巨人、最後の傑作!

(2016/9/21)4

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