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2015年10月16日 (金)

『旅のラゴス』 筒井康隆

昨日はマンションの工事のため、

9時から5時近くまで停電だった。

テレビも見られないので、ラジオを聞きながら、

さぞ部屋の片付けがはかどっただろうと

思いきや、

何をするにも電気が無くて、中途半端で、

結局、明るい場所で読書をし、目が疲れたら

おやつを食べるという

どうしようもない一日を過ごしてしまった。反省。

   *

この本は筒井康隆さんの本

ふしぎな本だった。

でも決して読後感は悪くはない。

いつの時代のことなのか、最初は迷ってしまう。

モンゴルの草原あたりを考えて、先へすすむ。

きれいな風景の中を、主人公は主張することなく、自然体で、流れるように、流されていく。

ムリを言わずなすがまま。

でもだからこそ

周りの人に愛され、旅を続ける。

旅の目的は何か。

彼にとっては、生きることが旅を続けること。

古い書物を読み、知識を得て、各所でその力を発揮する。

それは、実はいま生きる我々の文明についてなのだが。

空中移動とかそういう話だけかと思ったが、

今現在の我々の文明を辿っていく話だ。

それが

ラゴスの旅である。

「このキテロ市に、わたしは帰郷したのではなかった。 実は旅の途中に寄っただけに過ぎなかったのだ。 旅をすることによって人生というもうひとつの旅がはっきりと見えはじめ、そこより立ち去る時期が自覚できるようになったのであろうか。」

内容(「BOOK」データベースより) 

北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か?異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。

(1994/3/1)54

【目次】
集団転移/解放された男/顔/壁抜け芸人/たまご道/銀鉱/着地点/王国への道/赤い蝶/顎/奴隷商人/氷の女王

不思議な読後感。

彼がずっと、元気なのも安心だ。そして、最後まで旅を続けていく。

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