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2014年11月10日 (月)

『悪童日記』アゴタ・クリストフ

今日は青空です。

    *

麒麟・・・」を読み終えた夜中、

眠くないので手に取ったこの本

開いてみれば活字も大きく、読みやすい、気がして。

実は子供の日記という形だったのだ。

結果的には、2時間足らずで読み終えた。

何回か、もういい、寝よう、と本を伏せ、を繰り返し…た結果である。

    *

しかし

中身はどうでしょう。

まず最初に感じたことは、

私の不得意なところの記述が、あまりに露骨で

もういやだ。続きもあるようだけれど、少なくともしばらくは。もういい。

それが素直な気持ちだった。

   *

しかし、今落ち着いて考えてみると

この作者は不思議な・・・魅力を持っているのかもしれない。

生きていくということの

なんという不条理さよ。

それを各章で何も飾らず、何も述べず、語っていく。

   *

どこかで「文体に特徴がある。」と見た気がする。

丁寧な解説と訳注が付いていた。

短編の連なりで、それは常に一人称複数の「ぼくら」で書かれている。

その「ぼくら」が日記を書く、という形で書かれている。

ぼくらはノートに真実しか書かない。

曖昧な意味しか持たない、感情や形容詞などの表現は避け、淡々と事実だけを連ねるというのがぼくらのルール。

一切の感傷を排し、簡潔な文章で、そして、それだからこそ読み手の心に深く届く。

読むうちに、次第にさまざまな思い、その衝撃を自分のものとして体感させられるようだ。

だから、私もつい(?)最後まで読まされたのだ。

ラストもなんだろう・・・不思議、衝撃的な驚き

そう考えると、だから、続編があるのだな、と思う。

私は今のところ、読まないと思うけど。

このシンプルで、読む人にまっすぐ挑戦するような、しかも独特の文体で作品を書いた作者のことは興味がわく。すごいな、と思う。

     *

今ネットで見たら、映画化されたようだ。2013年完成

2014年10月、日本公開だったらしい。つい先日のことだ。

まったくの偶然だが。

予告編を見たら

原作に忠実のようだった。

映画化権を手に入れるまで15年もの月日がかかったという。

   *

ハンガリー出身の亡命作家アゴタ・クリストフの「悪童日記」。

映像化不可能と言われたベストセラーをハンガリーのヤーノシュ・サース監督が映画化した。戦時下をたくましく生きる双子の、ときに残酷な生き様をシンプルかつ美しい映像で表現し、見事カルロビ・バリ国際映画祭でグランプリを受賞したということだ。

あの双子を見つけだせたことが幸いだったと思う。ぴったりだ。

映画監督は「冷酷であり、生々しくもあり、暴力的で同時に美しさがあった」と原作から受けた印象を語っているという。

『学び続けなさい、生き続けなさい』というメッセージ

    *

作者は実際にそれに近い経験をしているのだろう、と思う。

残念ながら、映画が完成する前に亡くなったという。

今は予約が7人入っているらしい。私が申し込んだときは誰もいなかったが…

第86回アカデミー賞外国語映画賞の最終候補作品になったらしい。

内容(「BOOK」データベースより)

戦争が激しさを増し、双子の「ぼくら」は、小さな町に住むおばあちゃんのもとへ疎開した。その日から、ぼくらの過酷な日々が始まった。人間の醜さや哀しさ、世の不条理―非情な現実を目にするたびに、ぼくらはそれを克明に日記にしるす。戦争が暗い影を落とすなか、ぼくらはしたたかに生き抜いていく。人間の真実をえぐる圧倒的筆力で読書界に感動の嵐を巻き起こした、ハンガリー生まれの女性亡命作家の衝撃の処女作。
早川書房 (2001/05) 66

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