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2014年9月 5日 (金)

『55歳からのハローライフ』 村上 龍

秋の行楽シーズンというか、行事のための予定作りに忙しい毎日であります。

秋ですなあ。

    *

ずーっと、「55歳からのハローワーク」と思ってて、
おっとちがった、ハローライフ。

はたらくだけでない、生きていくのだ。

    *

作品に共通して出て来るのが飲み物

そう言われて気づく。

確かにそうだ。

自然に受け入れていた。

いかにもその人物・場面にぴったりなものだったから。

アールグレイ、発泡ミネラルウォーター、ドイツ製のミルで自ら豆をひき、丁寧に入れたコーヒーを。
 「ペットロス」では、ガラスの茶瓶に詰めたプーアル茶
 「トラベルヘルパー」三川内焼の茶碗で狭山の新茶を飲む。

それら飲み物にはこんな効用がある。(と書いてある。)
体に何かを入れるという直接的なことのほかに、それをすることで持たれる静かな時間、考える時間、あるいは考えない時間

「精神的に不安定になったとき、まず飲み物をゆっくりと味わうことができれば、どんな人でも気持ちが鎮まるはずだ。それは儀式のようなもので、しかも誰かに頼る必要もない。」

私も、そういう時には、まずは深呼吸をする、か、
何かを一杯口に含むのがいい。と思う。

それで、しょっちゅうコーヒーとか飲んでるんだ、私。

   *

さらりと、一晩で読んだけれど、いろいろ心にかかる文章。

具体的、実際的に今に、心に沁みる。

「人生はやり直しがきかないと思っている人のほうが、瞬間瞬間を大切に生きることができるような気がする」(結婚相談所)

「事実を受け入れるのは、とても勇気が要るんです」(キャンピングカー)

「雨は、風景の輪郭を曖昧にして、そんなに頑張らなくてもいいんだよ、と誰かに言われているような優しさを感じる」(ペットロス)

「生きようという姿を示すだけで、他の誰かに何かを与えることができるのではないか」(同)

「やりたいことをやらなあかんよ」(トラベルヘルパー)

    *

『55歳からのハローライフ』 村上 龍

NHKで「キャンピングカー」の話だけを見た。

   *

何というかリアルというか

いかにもどこかでありそうな、あったような話

特に先が気になってということもなかったが

夜中に読み始めて白むころ読み終えた。読みやすい。

     *

村上さんの優しさを見た気がする。

人生後半がどうなのかは、やはり自分次第。

そして心の持ちよう次第。

孤独だったら、そう思ったら

前に出よう。外に出て行こう。

人生は前にしか進めない。ね。(開き直りじゃ)

内容(「BOOK」データベースより)

人生でもっとも恐ろしいのは、後悔とともに生きることだ(『結婚相談所』)。
生きてさえいれば、またいつか、空を飛ぶ夢を見られるかも知れない(『空を飛ぶ夢をもう一度』)。
お前には、会社時代の力関係が染みついてるんだよ(『キャンピングカー』)。夫婦だからだ。何十年いっしょに暮らしてると思ってるんだ(『ペットロス』)。
人を、運ぶ。人を、助けながら、運ぶ。何度も、何度も、そう繰り返した(『トラベルヘルパー』)。
ごく普通の人々に起こるごく普通な出来事を、リアルな筆致で描き出した村上龍の新境地。
2012,12,10   54

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