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2014年8月 5日 (火)

『スナックちどり』 よしもとばなな

久しぶりの「よしもとばなな」さん。

最初は「キッチン」だったなぁ。

    *

淡々とした不思議な文章の中に、真実が込められている。

眠れず、読む本がなくて、仕方なく読み返していたら、前には気にならなかった文章が気になり、こころに入ってくる。

いつものことながら、優しい日本語で語る。

肉親をすべてなくした「ちどり」と離婚したばっかりの「私・さっちゃん」従妹同士で旅に出た。

何もないイギリスの片隅に溺れるように迷い込んでから、生きる力を再び持とうとする二人。

     *

・なぜ私が元夫よりもちどりを愛せるかというと、彼女のことを尊敬しているからだ。その生き方を、だれも見ていないときにも貫いている信念を。 

・彼らは自分を愛していて人生に自信があったから、常に堂々としてたよ。 

・この世には美しさが全くないものは一個もないんだ。見つける方の目にそれがあれば、どんなものでも美しさをもってる 

おばさんになって、おばあさんになって、ただそれでいいんだよ。
それがなにより最高なんだ。一回きりの、この上ないことだよ。 

・今はなにもかもが大切な旅の景色のひとつになっていた。
新しい古い、良い悪い、どんどんそんな区別がなくなtっていき、自分の芯になるものだけが残る。あれ?じぶんしかいない、淋しい、そう思って周りを見たら、広い海だか川だかには同じような船がたくさん。
そういう感じがいちばんいいな、と思った。
 

私たち、今はここにいる、この一点にいる。
そう思ったら、またひとつ隠されたカーテンが開いたような気がした。
どれだけ開けていけるのか、どれだけ希望を灯してから船を降りるのか。

     *

そこにいるだけで気持ちが和らぐスナックのような場所。祖母みどりのひらいていた「スナックみどり」を継ぐ「スナックちどり」日本人の心のふるさとのようだ。

5日間だけ、私はスナックちどりに貸切で入り浸った。安らぎの場所

・そして、自分のこの先に希望の光りが灯り、先が見え始めたのは幸せな春先のことだった。

心のなかに温かく灯る「スナックみどり」あんど「ちどり」

家族のように集い、でもまたそれぞれの家に帰っていく場所。

前回読んで、アップした「リセット」のアンチテーゼのようなものだった。

そして。

この本も同じ、知らず知らず元気になるような本でありました。

内容(「BOOK」データベースより)

40歳を目前に離婚した「私」と、身寄りをすべてなくしたばかりの、いとこのちどり。イギリス西端の田舎町を女二人で旅するうち、魔法にかけられたような時間が訪れる―。

(2013/9/27) 50

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