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2014年6月12日 (木)

『死神の浮力』 伊坂幸太郎

毎日かなり雨。

床が湿っているようだ。

    *

ちょうど今、世の中に栃木の犯人が出てきたころに読んだ。どうしてもそれを頭に思い浮かべてしまう。

本なのに、怒ってしまう。

なんてひどい。小さな子供を・・・それは現実も同じ。酷い。

   *

犯人の原点などは書かれていないので、本当に人間失格者なのか。

人でない「千葉」の、人とのすっとぼけた会話が

くすっと笑わせてくれる。

でも、通して語られるのは

「人は皆いつか死ぬ」ということだ。だからどうするのか。その先が問題なのだけれど。
この本を読んでいると、絶えず、「忘れるな」と言われているようだ。だいじょうぶ。この年になれば、十分わかっているって。

   *

死について、

印象的だったのは、お化け屋敷に絡めて、人生を先に行く父が子供を怖がらせないように

先に行って、怖くないことを確かめてくる、と主人公に話すこと。

いつか向こう側から帰ってきて、「思った通り、怖くなかったぞ。」と話すかも、と彼は考える。そして、私もそう思う。

いつかは死ぬのだと分かっているけれど、それは自分までで、

「自分の愛おしい子供もいつか死ぬだなんて、そのことをまともに受け止められる親なんて、ほとんどいないはずだ。」と父は言う。私も。

  そうだ、けどね。

   *

いくつになっても親は子を思う。

そして、子供には悲しい思いをさせたくない。しないでほしい。

それは親という者全員が思うことではないだろうか。

    *

「日々を楽しめ」「日々を摘め」(どうせ死ぬのだから、今この瞬間を楽しめ)

    *

「死神の精度」につづく、続編

「精度」も印象的で面白かったが

それに並ぶと思う。

同じ千葉が出て来る。何しろ、年を取らないから。

面白い。人間ではないのだから、いろいろ能力もあり、

言葉や考え方が面白い。

ラスト、にっくき犯人の最後は想定外。

ホントのラスト「だが、」「晩年も悪くなかった。」

には、ほっと、良かった!

    *

こんなに死について書いていると、それこそ「死神」のお友達かと思われそうだが、作者は、全然怖がってはいない、というようなことをどこかに書かれていた。

(2013/7/30) 436ページ 37

内容紹介

『死神の精度』で活躍した「千葉」が8年ぶりに帰ってきました!
クールでちょっととぼけた死神を、今度は書き下ろし長編でお楽しみください。

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