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2014年5月30日 (金)

『陪審員に死を』 キャロル・オコンネル

やっとマンションの囲いが取れて、本当の空が見えるようになった。

嬉しくて、布団をいっぱい干し、カバーを全部洗濯し、

気持ちがよかったけど、疲れた。

カーテンを開けても大丈夫なのもうれしい。

梅雨までの少しの間、有効にお日様を活用しましょう。

     *

この本は、評判を聞いて

リクエストして待っていた本。

何しろ海外ミステリは図書館では、ほとんど1冊しか買ってもらえないので、

待ち人が2,3人でも時間はかかる。

    *

しばらく集中して読み進んでいるとき

その時間が、不思議な世界にいるような気持ちになっているのに気づく。

はっきりしない世界。

クリアな現実の世界とは異なっているような。

いい悪いもはっきりしていないで、

しかもそれが許されるような。

薄い紗がかかったようで、時折、時の軸が知らぬ間にずれてきているような

居心地の悪さと言うか、安定感不足というか。

でも

それは決して気持ちの悪いものでもない。

元気に跳ねるようではなく、

薄暗闇の中を、静かにはい回るような雰囲気

そこで事件が起きる。怪しいとはいっても、ハードボイルド系ではない。

    *

何が正義かわからないから

そういうぼやけたイメージで進んでいたのだと思う。

    *

そこにいるのはとびっきりの美女と・・・

最後の最後まで

だれがどうなのか、

何が真実なのか、わからず

不信感をぬぐいきれない。

そのような状態から、最後のところで少しずつ明かされていく。

これは信じてもいいのか、不安になりつつ進んでいく。

そんな過程がスリリングで最後の部分は前のめりにページをめくり、先を知りたくなる。

好奇心に追い立てられ、そこからは読み出したら止まらない。

警察官一家4代目のライカーと父親との名前を軸にした交流も描かれており、ライカーのフルネームがわかる。

そのエピソードが、事件の全貌が明らかになり、決着がついた後のラストにしみじみといかされている。

それが悲しいけれど、感動すると同時に深い余韻を我々に残す。

187_2最初は訳の分からないその薄暗闇のような世界に放り込まれて

だれがいい人か、正義か、筋を追うことができず、読むのにかなり苦労した。

最後には何があるのか、きっと何かあると、期待して読み進んだのだ。

(2014/2/21)

「るりはこべ(ピンパネル)」のもたらす愛。

そういう不思議な状況に私を追い込んだだけで、この本の読書の意味はあったかも。

そしてちゃんと元に戻ってきた。私。 それが読書のだいご味。 33

内容(「BOOK」データベースより)

   完璧な美貌の天才的なハッカーでニューヨーク市警の刑事、キャシー・マロリー。弟の清掃会社を代わりに経営し、警察に復帰する気がないような、傷病休暇中の相棒ライカーの態度に彼女は苛立ちを募らせていた。そしてジョアンナ・アポロ。清掃会社で働くその女性にはFBI捜査官がつきまとい、彼女に嫌がらせをしていた浮浪者は殺された。ライカーが心を寄せる女性は何者なのか。

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