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2013年9月10日 (火)

バスの走る午後に

家の前を、
バスが通る。

交通量の多い道から外れた、住宅地を回る短い区間を走るバス。

行きに奥まで行くときと
ぐるりと回って帰ってくるときと二回通る。

Cocolog_oekaki_2013_09_07_12_09だいぶ前から
その一台のバスが停まるときに
「音」を立てるのに気づいていた。

「きぃー---っ」
と言っても
うるさい、耳障りな「キー」ではない。

ささやくように
語りかけるように、長く息を吹きかけるように
「きぃぃぃぃl-----」

密かに注目(?)している。耳で。
密かにつけたあだ名は・・・「きぃちゃん?」
誰かに話したことがないから、いつでも変更できる名前。

あら今日もあなたなの?
あら今帰るの?

その長い余韻は
その後何の車も通らない午後の道の静寂に続く。

その音が聞こえてから
家を出ていけば、ぐるっと回ってきた、帰りの、駅に向かう「きぃちゃん」に乗れる。

なかなか便利なのだ。

そのうち
車検か、点検で音は出なくなるだろう。

そのバスだけがここを走るのでもないから、
そこは問題なのだ。

こんなことを書いているうちに
別のバスが停留所に停まった。

ブレーキの音はしないで、
代わりに大きなエンジンの音がした。

私の耳には
あの「きぃぃぃぃーーー」という優しい音がまだ聞こえる。

翌朝もまた
走り、停まる音が聞こえた。

暇だな、私。
いえ、そんなことはないのですが…

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