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2013年9月 5日 (木)

『ことり』小川洋子

昨夜から、雨と遠くで轟く雷
重そうな黒い空

一方、朝の定時連絡によれば、京都はピッカピカの青空らしい。よかったね。

       *     *

この本は最新作
友だちのブログで見て、リクエストしてしばし待ちました。

小川さんの、
周囲を見渡すような、適正な(と言いたいほど正確で緻密な)描写は、
まるで物言うカメラのよう。

何かを見つけて、そっと、あるいはグイッと近寄り、
また見つめる。

その中で
何かを見つけ、両手ですくい上げる。こころ。

さほどの起伏もない話だが、なぜか心に残る。

小父さんは小鳥が好きだから、何年も面倒を見る。

感謝してほしい、などと思わない、
ただ、その「ことり」たちを幸せに扱ってほしいのだ。

自分がそうしたように。
心を交し合って…

内容紹介

12年ぶり、待望の書き下ろし長編小説。
親や他人とは会話ができないけれど、小鳥のさえずりはよく理解する兄、
そして彼の言葉をただ一人世の中でわかるのは弟だけだ。
小鳥たちは兄弟の前で、競って歌を披露し、息継ぎを惜しむくらいに、一所懸命歌った。
兄はあらゆる医療的な試みにもかかわらず、人間の言葉を話せない。
青空薬局で棒つきキャンディーを買って、その包み紙で小鳥ブローチをつくって過ごす。
やがて両親は死に、兄は幼稚園の鳥小屋を見学しながら、そのさえずりを聴く。
弟は働きながら、夜はラジオに耳を傾ける。
静かで、温かな二人の生活が続いた。小さな、ひたむきな幸せ……。
そして時は過ぎゆき、兄は亡くなり、 弟は図書館司書との淡い恋、鈴虫を小箱に入れて持ち歩く老人、文鳥の耳飾りの少女と出会いながら、「小鳥の小父さん」になってゆく。
世の片隅で、小鳥たちの声だけに耳を澄ます兄弟のつつしみ深い一生が、やさしくせつない会心作。
2012/11/7  55
救われるのは
周囲の人の対応も小父さんにはそれほどきついものに書かれていないということ、
と言うことは、小父さんには、そう感じられたということだ。
ひそやかに、兄と生きる小父さん
どこまでも「ことり」がすきな小父さん
そこには、そばにお兄さんがいるのだ。
だから、小父さんは、ことりと共に生きて…そして・・・。
メジロの鳴き声をじっくり聴いてみたい。

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