« 願いは健康!丈夫な脚! | トップページ | 晴れた日に『しゃぼん玉』 乃南アサ »

2013年6月26日 (水)

『キャサリン・カーの終わりなき旅』 トマス・H ・クック

今日は昼ごろからの予報が既に雨が降っています。
でも、本を返す期日が今日までなので,行ってこなければなりません。これ以上ひどくならないうちに。

久しぶりのクック。

真実の中に漂う神秘的な話。

何が本当で何が夢なのか。

この話の構成は何重にも複雑になっていて、

私は、まるで大きな数式のようだと、思いながら読んでいた。

大かっこに中かっこ、そしてその中に、小かっこ、掛け算に引き算、さらに・・・などでできている数式である。
微妙に巧妙に囲まれた話。

読み手はそれを
一つずつ開き、展開し、前に進んでいく。

ただし正解はあるのか、正解に届くのか。

訳者あとがきでは「入れ子構造」「二重三重に張り巡らされた城壁の門番」が主人公ジョージ・ゲイツ、早老症のアリスは、「その奥にある館を目指して突き進む勇敢な少女」になぞらえることができるだろう、とあった。

「記憶シリーズ」で有名なトマス・H・クック
最近で記憶にあるのは「石のささやき」(と言っても2008年だった)

全体的に幻想的な記述も多く、不安が漂う。

アリスの病気のところで
「病気という殺人の残酷さ」という記述があった。
それほどに傷ましいものである。
しかしそれが、そうであるにしろ、「キャサリンの小説に出てくるおぞましい殺人事件」と、決して同列に置くべき殺人事件ではない。

また、
病気もそうだとすると、その犯人はいったい・・・などと考えてしまう。

人は誰でも
死から逃れることはできない。
それについて、様々な「死」についての人々の痛み、悲しみ、苦しみ、後悔
そして希望まで。

最後の最後の場面は読み手たちが想像することだろう。

(2013/2/8) (40)

内容(「BOOK」データベースより)

ジョージ・ゲイツはかつては失踪事件が起きた場所を訪ね歩く旅行作家だった。七年前に八歳の息子が何者かに殺されてからは、地方新聞社の記者として働いている。ある日、彼は二十年前に謎めいた小説を残して失踪した詩人キャサリン・カーについての話を聞く。ふとしたきっかけで、彼は早老症の少女アリスとともに、その小説を手がかりとして詩人の行方を追うことになる。だが、徐々に詩人の運命が彼自身の人生と奇妙につながっているように感じられてきて…。世界が絶賛する巨匠が繊細に紡ぐ苦悩と再生の物語

|

« 願いは健康!丈夫な脚! | トップページ | 晴れた日に『しゃぼん玉』 乃南アサ »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 願いは健康!丈夫な脚! | トップページ | 晴れた日に『しゃぼん玉』 乃南アサ »