« ただのさんぽ | トップページ | レプトケファルス »

2011年8月30日 (火)

『森崎書店の日々』八木沢里志 と神保町

散歩した夜
読み終えた本がこれである。

神保町の書店街での温まる話。

そこは近代日本文学を扱う古書店なので
海外ミステリなどは出てこない。

でも、本を通した会話や生活はこちらにも伝わってくる。

森崎書店の日々 (小学館文庫) 50冊目
内容(「BOOK」データベースより)

貴子は交際して一年の英明から、突然、他の女性と結婚すると告げられ、失意のどん底に陥る。職場恋愛であったために、会社も辞めることに。恋人と仕事を一遍に失った貴子のところに、本の街・神保町で、古書店を経営する叔父のサトルから電話が入る。飄々とした叔父を苦手としていた貴子だったが、「店に住み込んで、仕事を手伝って欲しい」という申し出に、自然、足は神保町に向いていた。古書店街を舞台に、一人の女性の成長をユーモラスかつペーソス溢れる筆致で描く。「第三回ちよだ文学賞」大賞受賞作品。書き下ろし続編小説「桃子さんの帰還」も収録。
 
学生のころ、20代はじめ 
学校帰りに神保町へ行き、書店めぐりをしたことが何回だかあった。
今思うとなんて元気だったんだ、私。(当然じゃ!)
映画化されているこの本の「森崎書店」より、
ずっとカビ臭い、今にも崩れてきそうな本の山、その奥に座っている店主。
それらを映像として思い出す。
そういう店に入っては出、入っては出て、はしごする。
本にも「一人でくるもの」とあったが
私もいつもひとりだった。
でもとても幸せな落ち着いた気分になった。
何冊か戦利品が獲られれば
さらに幸せになるのだった。
木造の喫茶店といえば思い出すものがある。
それは20代のころではなく、
それから20年後ぐらい、
岩波ホールに映画を見に行ったときに
友達と寄った。
今調べたらまだあるようだ。
当時は「李白」といったが、今は「きっさこ」という名前になっているらしい。
昭和30年代に建てられたという。
本の中にもみんなが出会う喫茶店に「木造の」とあるが撮影地は不明。
でも私の中ではそんなこんなのあの街を思い出したのだった。
あの街は人それぞれに若いころの思い出をしまいこみ、
今を進んでいく面白い街だと感じる。
行ってみれば、思い出を取り出してみれば、
それぞれの神保町が広がる。
続編に出てくる「御岳(みたけ)」にも思い出もあり、身近かに感じられた。
常にその空間に自分まで置いて、短くて軽いというだけでなく、そういう意味でも速く読みきったのである。

|

« ただのさんぽ | トップページ | レプトケファルス »

旅行・地域」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

こんばんは!
神保町、私も学生時代にはよく行きました。
いちおう書家を目指してたもんで、法帖探し専門でした。
カビ臭い店内をうろついただけで、何だか目標に近づいてるような気分になり、その後は立派な「書泉」でしおりをゲットして帰る。
ああ、懐かしいなぁ~。
今じゃ、苦労して手に入れた本も不用品となってますだ(;´д`)トホホ…

投稿: なおこ | 2011年8月31日 (水) 00時35分

こんにちは
そうですよね。
あの辺には大学がいっぱいありましたね。
少しずつ時代は変わっているけれど
交差する人々
みんなの大事な時代がそこにあり、
そんなことを考えると
また私の妄想?は進んでいきます。

投稿: いち | 2011年9月 2日 (金) 09時45分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ただのさんぽ | トップページ | レプトケファルス »