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2011年7月11日 (月)

『ひそやかな花園』角田光代

なんの知識も無くリクエストして読みはじめた。

それがよかった、と思う。

主役はだれなのかも、最初わからない。

年が経って
話は登場人物を渡り歩く。

秘密がわからない、不思議だ。

やがて明らかになってくる仲間たちの親の秘密。
そこまでは一気に読み進んだ。

そこから先は・・・一休みした。違う意味で考えさせられる。
いくら話し合っても、理解しても、しきれない感情。

ひそやかな花園 40冊目

角田さん独特の文章は静かに地上に降り積もるように
染み入る。

映像ではなく、誰かの朗読でじっくり読んでいくような気がする。

静かな雨降りの部屋で。

読後感も悪くは無い。

最終的にはみんなが生きることに前向きになっていく。
テーマが特殊であるので、そこにポイントを置くと好みが分かれるかもしれない。

しかしその先にある「親子」「夫婦」「家族」の関係、その意味を自分の身に重ねて考えることができる奥深い本だと思う。

人は受け取り方で、考え方で明るくも暗くもなる、そんなことも感じた。

「きみがいなければ、きみの見る世界はなかった。」

「落胆すら、手にはいらなかったのだ、話そうとしなければ。向き合おうとしなければ。」

「善きことは、その子が生まれてからじゃないと与えられない。だってその世界では何がしあわせか、わからないでしょう」

「ものほしげで、他人まかせで、超能力もないのにテレパシーで相手が動いてくれるって思ってる。ほしいものが手に入らないと、人のせいにして、地団駄踏んで怒ってないてくやしがる。それなのにまだ、自分の足では動き出さない。・・・」

どんな環境に生まれようと、そこから動きだすことが大切なのだ。
自分の世界で。その世界を広げるために。

「どう生まれたかじゃなくて、どう生きるか、つまるところそれしかないんじゃないですか。」

内容紹介

幼い頃、毎年サマーキャンプで一緒に過ごしていた7人。
輝く夏の思い出は誰にとっても大切な記憶だった。
しかし、いつしか彼らは疑問を抱くようになる。
「あの集まりはいったい何だったのか?」
別々の人生を歩んでいた彼らに、突如突きつけられた衝撃の事実。
大人たちの〈秘密〉を知った彼らは、自分という森を彷徨い始める――。

親と子、夫婦、家族でいることの意味を根源から問いかける、
角田光代の新たな代表作誕生。

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