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2010年7月13日 (火)

『見残しの塔』久木 綾子・・思い出の瑠璃光寺

Yamaguchi5s 瑠璃光寺の五重塔を御存知でしょうか。

[BOOKデータベースより]
「国宝。大内文化の最高傑作といわれる。室町時代、嘉吉2年(1442年)頃の建立。屋外にある五重塔としては日本で10番目に古く、京都の醍醐寺・奈良の法隆寺のものとならび日本三名塔の一つに数えられることもある。」(ウィキペディアより)

2004年3月ごろに夫と息子2と3人でいった事があります。二人とも広島に出張で私がそれを拾って、岩国山口尾道しまなみ街道鞆の浦と旅した時で、朝起きたら雪で、その日は予定では萩にちょっと足を伸ばすことになっていました。
ところが早朝の峠でスリップして先にはいけず、山口市内の観光となったのです。

Yamaguchi6 そこでであったのが雪の中の五重塔でした。
朝早く出立していたのも運がよかったです。

すでに雪はやみ、どこも足跡ひとつ付いていない境内で、
息を呑む美しさでした。

やがて地元の写真家さんたちも続々現れて三脚をたて撮っていました。しかも朝の日差しがさしてもいます。
Yamaguchi3 こちらは隣の洞春寺。毛利元就の菩提寺らしい。
この朝の風景は今でも心に残ります。

萩へは2006年秋に(その旅はこちら/宮島・津和野・山口・秋芳洞・秋吉台・萩・青海島)ゆっくりと出かけましたので、これもよかったです。

そんなこんなの思い出の瑠璃光寺ですから新聞で本の紹介を読んだときにはすぐリクエストしました。

見残しの塔―周防国五重塔縁起 見残しの塔―周防国五重塔縁起

著者:久木 綾子
販売元:新宿書房
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こうして五重塔は生まれた。構想十四年、執筆四年。八十九歳の新人、デビュー!人は流転し消え失せあとに塔が残った。塔の名は瑠璃光寺五重塔。中世室町。五重塔の誕生をめぐる人びとの数奇な運命を描く歴史小説の大作。

89歳という年にも驚きと感動、そして勇気をもらった。

主人公の大工が密かに塔の部材に墨字と花押を書きそれを隠す所がこの話のハイライトとなる。
大正5年の解体修理のときに、屋根を支える部材から名前のない墨字と花押が見つかり、そこから作品のヒントを得たという。現在それは国宝になっている。

長い調査と積み上げられたイマジネーションには楽しみさえ共有できた。
文章も美しい。が、読み応えという点では今ひとつかな。重さや深さという点で。
さらりという感じである。趣はあるが、深い感動があったようなどうだったのか。
あちこちの寺やその旅のとき行った鞆の浦などの地名も懐かしく思った。

作者の気持ちは物語を通り越して確かに伝わった。

「五重塔はその姿を見た人間には『美残し』だが巡り合えなかった者には、この世に思いを残す『見残し』の塔だと考えた、、」

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