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2010年4月 9日 (金)

『僕の大事なコレクション』

私の大事な!読書仲間のブログで教えてもらった映画。
早速録画して観た。
なかなか心に残る映画だった。

最初にそして最後に思ったのは
テーマである「過去と現在」

それは表裏の関係・・シャツを表裏に着ているように。
アメリカを愛するアレックスがそうしていたように。
「シャツ表裏逆だよ」「良いんだよ」みたいな会話。

過去と現在は互いに照らしあい、時に表になったり裏になったりして
その存在を知らしめる。

異文化の中での軽妙なロードムービーのように始まり、
その出場者はユニークではちゃめちゃな家族
サミーデイビスジュニアジュニアという犬までも、面白い。
アメリカ好きの変な若者はちょっとずれた英語を使い、アメリカではすでに使わない人種差別用語を使い、(ジョナサンにたしなめられ、)アメリカからのユダヤ系ルーツ探しの観光客ジョナサンをあしらう。
途中からはお互いに分かり合ってくる。
「ユダヤ」をあらわす言葉には「その言葉はわかるよ」という、ジョナサン。

奇妙奇天烈なロードムービー
そう思いきや
美しい楽しい音楽に乗せられ後半へと進む
おんぼろ車の走るウクライナの景色はとても美しい。
その裏に隠されている過去の真実は重い。

その、世界の表と裏をつなげる場所が
一面ひまわりの咲く中にぽつんとある一軒の家
庭には白いシーツがたくさん干してある。そこにすむおばあさんはまだまだ白いシーツを洗い続ける。
現実のようで圧倒的にありえない、美しい景色。夢のようだ。

どこにもそんな過去を持ちつつ時を過ごしている人がいるのだと実感する。

ユダヤ人の迫害などわれわれには遠くてそれこそ映画の中のみでその実感が無い。
ヨーロッパではそれが実際に家族の誰かと関係したり結構重いものなのだろう。

何度か出てくる車のサイドミラーに写る過ぎ去っていく歪んだ景色もまた印象的。
それは過ぎ去った過去、現在の中に埋もれている悲しい忘れられた過去を表しているようだった。

運転手として同行するおじいさんの最終的な立場が、最後にやったことの意味が良くわからなかったが、やはり裏は表だったのだな。

73d695dbb44b39f11dd05c3953d3cda0 なくなった村、なくされた村の人の持ち物は土の中に埋まっている。
それを掘り返し大事にコレクションするひまわり畑の住人

音楽も映像も出演者も
それぞれが自己主張することなく、個性を出し合って
ひとつの主張をしている。
生きていく、生きてきた証の為に「things」を集める。
それは過去とのつながり。
過ぎ去ったものを忘れないために。
過去は遠くにあるものではなく、現在と繫がって、いつもその奥にある。

僕の大事なコレクション 特別版 [DVD]
幼い頃から家族にまつわるあらゆるものを黙々と収集してきたユダヤ人青年ジョナサン。自室の壁はジプロックに収められた思い出の品々で覆われている。そこに新たに加わった一枚の古い写真を手掛かりに、今は亡き祖父の命の恩人アウグスチーネを探すため先祖の地ウクライナに初めて降り立つ。凄まじくブロークンな英語を話す通訳兼ガイドのアレックスとその祖父、そして犬一匹と共にジョナサンは地図から消えた村“トラキムブロド”を目指す。
[ 2006年4月29日公開 ]

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