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2008年10月10日 (金)

『真鶴』川上 弘美

真鶴 真鶴

著者:川上 弘美
販売元:文藝春秋
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2006,10 71
「ついてくるもの。影のような女」との真鶴での幻想的な風景と、
女三代で暮らす家での実際的な様子。
そのどちらにも漂う不思議な雰囲気は現実との境があるようで無い。
それは主人公の心の状況によるものだからか。

子どもを生んで家族を作ったはずだった主人公。
突然3歳の子どもを置いて失踪した夫。
それから十数年、不安定な主人公の心のすきま。
そこに入り込むもの。
感覚的な言葉が並ぶ。ひらがなが多く、さらに、感覚的な文となっている。
「にじんでいる」という言葉が多用。

「まだいないもの。いつか、あらわれるかもしれないもの。
…今ないものは、過去の中に消すことはできない。…不在なのに、いつまでたっても、なくならない。」

現実世界とその裏の幻想の世界が絶え間なく折り重ねられる。
不思議な雰囲気、文体。
霧の中をゆくようなもやもや感とまとわり着くような感覚。主人公のゆれる心がその中をさまよう。
寂聴さんが「秘花」の対談で「あなたの『真鶴』はとても色っぽいですね。」と話していた。
それで読もうと思ったのだが、私にはよくわからない。
どうとらえて良いのかわからない作品だった。

それでも主人公は実際には前に向かって進んでいく予感は、する。
このような叙情的な文を読んだことは良かった。たまにはね。

真鶴は今までにも何度も行った所だったので、雰囲気は理解できた。
真鶴は湘南よりは落ち着いた、でも半島なので海があり、三ツ石海岸があり、魚付き林があり、貴船神社がある。
私は一人では行かないぞ。

内容(「MARC」データベースより)

失踪した夫を思いつつ、恋人の青茲と付き合う京は、夫、礼の日記に、「真鶴」という文字を見つける。“ついてくるもの”にひかれて「真鶴」へ向かう京。夫は「真鶴」にいるのか? 『文学界』連載を単行本化。

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