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2008年7月13日 (日)

『クライマーズ・ハイ』横山 秀夫

クライマーズ・ハイ クライマーズ・ハイ

著者:横山 秀夫
販売元:文藝春秋

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53  2003年
堤真一が主人公で映画化された。17年末に佐藤浩市でテレビ化もされたらしい。遅まきながら読んだ。
読みながら彼の顔が浮かび、こんな風に突っかかり、叫び、戦うのか、と多少違和感さえ感じつつ読んだが、
映画の宣伝ではかなり原作に忠実のようだった。
新聞社内部の様子は作者の体験もあるので実際こういう状況もあったのかと思う。

主人公の中に潜む心の痛みや悲しみ、最後にはさわやかな感動もあり
違和感は消えていた。
一気に読んだ。
衝立岩を見てみたくなり、とりあえずネットで写真を見て、なるほど、すごい岩だ。
親子関係、山仲間の友情、新聞社の組織内の葛藤、その中でいい新聞を作ろうという気持ちがあるいは名を上げたいという気持ちが渦巻く。御巣鷹山。

「日航はデカすぎた。大久保連赤は完全に霞んじまったんだ。」
「人の命って、大きい命と小さい命があるんですね。」
新聞記者の宿命。
経験者としての作者が自分の中で18年の年月をかけてこなしあげた力作。
自分の奥深くに抱き続けていた思いを
この本を書き上げることで、作者自身も長らく持ち続けていたその過去の経験に自分なりの総括をしようとしたような印象もうけた。
人はクライマーズハイを経験しても、その後の人生を自分なりにさわやかに生きることができる。

出版社/著者からの内容紹介
85年、御巣鷹山の日航機事故で運命を翻弄された地元新聞記者たちの悲喜こもごも。上司と部下、親子など人間関係を鋭く描く。

北関東新聞の記者・悠木は、同僚の安西と谷川岳衝立岩に登る予定だったが、御巣鷹山の日航機墜落事故発生で約束を果たせなくなる。一方、1人で山に向かったはずの安西は、なぜか歓楽街でクモ膜下出血で倒れ、病院でも意識は戻らぬままであった。地方新聞を直撃した未曾有の大事故の中、全権デスクとなった悠木は上司と後輩記者の間で翻弄されながら、安西が何をしていたのかを知る――。 実際に事故を取材した記者時代の体験を生かし、濃密な数日間を描き切った、著者の新境地とも言うべき力作。

若き日、著者は上毛新聞の記者として御巣鷹山の日航機事故の 現場を取材しました。18年という長い時を経て初めて、その壮絶な体験は、 感動にあふれた壮大な長編小説として結実しました。それが本作品です。


――記録でも記憶でもないものを書くために、18年の歳月が必要だった。
横山秀夫

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