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2007年10月13日 (土)

『ABCDJ』とびきりの友情について語ろう…ボブ・グリーン

ABCDJ―とびきりの友情について語ろう ABCDJ―とびきりの友情について語ろう

著者:ボブ・グリーン
販売元:日本放送出版協会
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全400ページの長編。 57
作者は1947年生まれのコラムニスト。
同年代であるからして、この話の流れ(音楽なども)は私にも通じるところがある。
読みながらずっと自分と自分の周りの大切な人とのことをこの本の行間に感じ、考えていた。

57歳の仲間と、そこまでに至る長い年月の思い出。
ABCDJの5人組。J…ジャックは5歳からの友なのだ。
いつも一緒だった。その思い出を掘り起こし綴る。

それは同じ道から一足先に去っていこうとする者への思いやりではなく、
先に行くもののお土産である。

今まわりにいる人がいなくなることや自分の死なんて考えなかった、若いころもあった。
しかしこの年代になるとそういう思いはじわじわと長い経験の中で
周りに漂ってくるのだ。
それは仕方ないことでもあるが、
ふと気がつくとそっと漂うその霧にはっとすることもある。
そんな心に染み入る文は多かった。

「この人たちと絶対に来年もまた、会いたい、って思ったんだ。でも、それも叶わないのかと思うと・・・」
「私たちの人生で起こるすべてのこと…あの夜から今朝にいたるまでのすべての幸運とすべての悲劇…が重なってきたからこそ、私たちはいまこうしてここにいるのだった。」
「思い出というものはどこへ行ってしまうのだろうか。それを留めようと努力をしなかったら、やがて消え去ってしまうのだろうか。」
「その道の上に自分がいなくなるというのが、彼の問題だった。もうゲームにには参加できないということだ。なのに彼の知り合いや愛する人間は、皆まだ生きてそこにいる。そして自分だけがそこにいないのだ。」
「君はどこへも行ったりなんかしない…きみはいつまでもここにいるのだ。いつだって一緒にいたという事実は、きみにとってもそして私たちにとっても、消えることのない本質なのだ。」
「友情というものは永遠だ。…これだけは終わることはない。お金に替えることなどできない、そんな価値など超えたところにあるこれだけは。誰ひとりとして、人からそれを奪い取ることはできない。」

障害を持った親子のレストランのシーンにもほっとする。
それがジャックにも通じるあたたかいこころ。
現在のメディアに追われる世界と一昔前の温かみを持った世界を交差させて、しかも変わらぬ思い。


人々は毎日を暮らし、新しい人とも出会い、そこにはやがて友情も芽生えることもあるだろう。
積み重ねられた年月や事実で友情は出来上がっていく。
結果として友情がうみだされるのであり、最初から気づいたり、あるものではないのだ。
思い出はそうして生み出されていくのだ。互いの人生を彩っていくのだ。

一人の人間が出会える人の数なんて知れている。
その中で自分がそういう気持ちになれる人とどれだけめぐり合えるか。
それにはおそらく自分の姿勢も大切なんだろうなあ。

友情だけでなく、家族との関係もそうであることは言うまでも無い。

本としてどうか、ということはいろいろあるだろうが、その後ろに自分を常に重ねて考えながら読んだ本であった。
読み手の年代によって思いが異なる本。

出版社/著者からの内容紹介
 57歳の誕生日を迎えて2週間後、ボブ・グリーンはいちばんの親友ジャックが末期ガンに冒されていることを知る。幼稚園生のころから半世紀以上、いつも一緒だったジャック。進む道は違っても、ふたりの心が離れることはなかった。刻々と最期のときが迫る今、一緒にいられる時間はもうほとんど残されていない。
 少年時代からの仲間であるアレン、チャック、ダンも、思い出のつまった故郷に集まり、5人で20年ぶりの「同窓会」を開く。そこには昔と変わらぬ空気が
あった──。

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