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2007年2月 7日 (水)

『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ

わたしを離さないで Book わたしを離さないで

著者:カズオ イシグロ
販売元:早川書房
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出版社 / 著者からの内容紹介    
自他共に認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。共に青春 の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーも彼女が介護した。キャシーは病室のベッドに座り、あるいは病院へ車を走らせながら、施設での奇 妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に極端に力をいれた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちの不思議な態度、そして、キャシーと愛する人々 がたどった数奇で皮肉な運命に……。彼女の回想はヘールシャムの驚くべき真実を明かしていく――英米で絶賛の嵐を巻き起こし、代表作『日の名残り』を凌駕する評されたイシグロ文学の最高到達点

書評で「抑制された表現」などとあったので覚悟してそういうものかと読み進む。
主人公キャシーの穏やかな語り口は31歳のものとは思えぬ落ちつきと経験を思わせる。
それもそうなのだ、平々凡々と生きる我々とは違う生き方と覚悟を持って生きているのだから。

押さえ込まれた表現がいつ「爆発」するのかと、あと半分、もう4分の一と進んだが
その文章は終始変わることはなかった。
学校生活、友人関係なども盛り込まれているが、やはり普通ではない何かが全体を包む。

「提供」ということばに表される痛み、理不尽さに感動できず、
登場人物たちに心を映して、納得できないまま読み終えた。

しかし夜、寝る前になって
じわーっと深い思いが浮かんできた。

私たちが生きることの意味、
生かされているということ
長生きしたいという願望
これは作者のそう言う事への裏側からの提示なのだと。
非常に深い思い。
人それぞれに違うであろうその思い。
人はどこへ行こうとしているのか。
医学だけでなく、核など, もろく危うい人のなすこと。
人の将来。地球の未来。

私としては「今、生きているということへの感謝」を再確認した。

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