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2006年11月14日 (火)

『クリスマスに少女は還る』キャロル・オコンネル

クリスマスに少女は還る Book クリスマスに少女は還る

著者:キャロル オコンネル
販売元:東京創元社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

1999,9  37
内容(「BOOK」データベースより)
クリスマスを控えた町から、二人の少女が姿を消した。誘拐か?刑事ルージュの悪夢が蘇る。十五年前に双子の妹が殺されたときと同じだ。そんなとき、顔に傷痕のある女が彼の前に現れた―「わたしはあなたの過去を知っている」。一方、監禁された少女たちは力を合わせ脱出のチャンスをうかがっていた…。巧緻を極めたプロット。衝撃と感動の結末。新鋭が放つ超絶の問題作.

友人に教えてもらったミステリ。面白かった。600ページになる文庫本はかなり長く、なかなか犯人の予想もできない。
その分,紹介にあるところの「巧緻を極めたプロット」はいくつもあって、少しわかりにくい。
どこがどうつながるのか、先を急ぎたくなる。

ただ、風景や人物、心理描写も深くそれぞれに思いが伝わる。
殺人犯を追う警察など捜査関係者たちの話、
そしてその間に挟まれる少女たちの勇気と友情の話が織り込まれている。

この二つがクリスマスというデッドラインに向けて進んでいく。
解決したかと思わせるクライマックスの後に来るエピローグ。
これが読者には賛否両論のようだ。
単なるミステリには終わらない結末はクリスマスのイメージだからなのか。
単なるハッピーエンドだったらどうなのだろうか。
私とするとハッピーエンドにしてほしかったかな。
愛すべきサディーと二人の友情のために。

子どもを誘拐された親の心配そして哀しみもじわっと伝わる。

途中にあるエピソード
目撃者の少年の心を開くためにキャッチボールをやり始めると、
そこへ捜査に疲れた警官たちや子供たちが次々参加してくる。
暗い野球場を車のヘッドランプが照らし出す。
そんな野球の話はメルヘンのようで、
映画(フィールド オブ ドリームスなど)のようでもあり、
アメリカ人の安らぎの心に占める野球を思った。
同じくらいクリスマスへの思いも。

ミステリに他の要素を加えたかった作者の気持ちが最後に残る。
作家は本の厚みのために(もちろん内容です。)誰もが事件だけでなく
情況を書き込もうとするのは当然だけど、
それが三者三様で難しくも面白いところ。
うまく調合できた本は面白く満足感もある。この本は8割方成功かな。

またオコンネルのマロリーシリーズも読んでみたくなった。

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