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2006年3月25日 (土)

狂言・野村萬斎に行く

Mannsai 正確には「野村万作・野村萬斎 狂言公演」である。開演は夜7時。
その前に食したパスタとグラスワインで満腹、
しかもほどよく暖かい中、
最初の解説は眠気との格闘、何とか聞く事ができた。
しかし最後は
身を乗り出して見入った。
久しぶりの公演にわくわく。ライブ?は良いな。

演目 
1・附 子
(ぶす) 
 
附子(とりかぶとの根を干した生薬)という毒の入っている桶には手を触れるなと言い置いて、主は太郎冠者・次郎冠者に留守を命じる。
 太郎冠者は好奇心から附子を見たいと欲し、次郎冠者に協力させてこわごわフタを開け、見ればうまそうなので一口食べて、毒ではなく、砂糖だと知る。砂糖と聞いて次郎冠者も寄ってきて食べ、二人は桶を取り合って、皆食べてしまう。
 太郎冠者のいれ知恵で、掛物を破り台天目(台に乗った天目茶碗)を粉々にした二人は、主の帰宅と同時に泣き出す。主が理由を尋ねると、大切な品々を誤って壊してしまったので、附子を食べて死のうと思って、桶の中の附子がなくなるまで食べたけれどまだ死なれない、と言う。

2.「千切木(ちきりぎ)」
句会に仲間はずれにされた太郎が無理やり登場し、悪口を言う。怒った皆に足蹴にされる。それを妻が見つけて、叱咤激励され各家を廻って仕返しを試みる。だが、どこも留守で、それをいいことに気弱な太郎は色々怒鳴り散らして去る。という気弱な太郎と気が強いが夫思いの嬶天下な話。

伝統の形式美の中におかしみがある。
1演目の中に結構笑いが起きる。
しかも会場中が笑うのだから相当なものだ。
単純化された舞台、その中で全部が完結する。

舞台をぐるっと回れば東京から札幌に着いた、っていうことにもなる。
鑑賞者はそこで札幌の景色を思い浮かべるのだ。

間合いの良さ、今でもありそうな話、朗々とした声、
それらが簡潔な舞台で想像力を味方に演じられる。
おもしろかった。

テンションが上がると「謡い」になるということで、
さらにすばらしい声。
さすが萬斎さんは存在感がある。って言うか、待っていたから。

附 子」は学校狂言の一つ。
子どもの笑い声も聞こえた。

「千切木」は立衆がたくさん出てくる。
将棋の駒のようにそれぞれの役者の立ち位置が決まっている。
いない時は座って正面を向いている。縦に並んで座る様も美しい。
舞台脇に下がっていくのではなく、そのまま舞台に居続けるという形。
観客が彼らをいないものとして見るという了解で見ているためである。
一つの舞台ですべての話が進んでいくのだ。

やられたらやり返してこいという奥さん。
「そんなコトしたら死んでしまう」といやがる主人公に「死んでも良いから」「仕返しするまで家には入れない」と答える奥さん。
そう言われてしかたなく仕返しに行く。
「○○はいるか?」とおそるおそる聞くと、間髪入れずに「留守!」と答える。
その間の良さ。
単純な動作の繰り返しも美しい形式美。
砂糖の桶を取り合って行くところも同じおかしみ。Deji

学生時代に何回か能楽堂で見た覚えがあるが、
「なーんにも覚えていない。」
学ばされているとき(いや、そのときも学びたくていってたんじゃないのか?)と自分で見に行く事の違い、だなあ。

こういう地道な公演が日本の伝統文化をつないでいくのだと思った。今度は能楽堂めぐりをしてみたい。

写真右は昨日していった友人作の「デージーのネックレス」 直径2センチほどでひっそりと可愛いのです。

 

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コメント

とっても楽しくて分かりやすい内容なんですね。齧りたくなりました。
能楽堂の雰囲気も味わってみたいなあ、と。チケット取るの大変じゃなかったですか。
歌舞伎、寄席、相撲とどうも「和」に引かれております。

投稿: コキア | 2006年3月25日 (土) 18時51分

「附子」面白い。野村萬斎さんのとぼけた表情が真顔になる瞬間が好きです。
狂言と能の地方公演(4月)私の楽しみの一になっています。
「ホテルニュー富士」有難うございました。行事が立て込んでしまい予定変更で
先になりそうです。人形を見て、辻が花を見て、富士山を眺めなんて想像して楽しんでいます。あの人形の大フアン、5月横浜の個展見に行く予定です。何ともいえないあの表情と素材の木綿のぬくもり大好きです。

投稿: nogiku1 | 2006年3月25日 (土) 19時11分

こきあさん こんにちは
そう、わかりやすいです。なんか伝統ってすごいなあ、っておもいました。
昔から庶民も楽しんでいたのですね。チケット、能楽堂はどうでしょうか。
そんなに難しくはないのではないかと。
調べたら結構いっぱいやっていました。千駄ヶ谷なんですよ。
ついでに・・・ね。

投稿: い | 2006年3月25日 (土) 22時02分

のぎくさん、お元気ですか。
能・狂言も?また共通の趣味?を発見!ですね。
あの人形をあの人が作る。はじめびっくりしました。
昔のガキ大将とか、電車の風景とか、ニンフよりそっちが好きかな。
5月に個展があるのですか。楽しみですね。
富士山も逃げませんから・・・ゆっくりどうぞ。ね。

投稿: い | 2006年3月25日 (土) 22時08分

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