« 人間の性(さが)…収集癖 | トップページ | 『蛇の形』ミネット・ウォルターズ »

2006年1月27日 (金)

親指隠し

夕やけ今日は金曜日。病院、食事、墓参り、買い物、薬局と回って実家から夕方帰りました。

親指隠し」って言いますか?
そのまま読んで字の通り「親指を手の中に隠すこと」です。
今日も車を運転中に向こうから霊柩車がやってきました。ハンドルを握る手で私はその「親指隠し」をします。
それをしながら私はいつも小さかった頃の息子2のまん丸い顔と言葉を思い出すのです。 散歩から帰るときお墓などがあると息子は必死に親指をかくし、「親指を隠せ」と私にも言います。
つないだ手を離したり、私の手の中でもぞもぞして、無理矢理私の指を変えようとまでします。
そんなときいつも、私は笑って「そんなにしなくても良いのよ。」といいました。
「霊柩車に会ったとき親指を隠さないと親の死に目に会えない。」私は母からそう聞いていたので、それを何気なく話したかもしれません。
そして息子2はそう言うことを信じる方でした。

たしか幼稚園か小学校低学年の時のことです。
「そんなこと・・」と笑う私に、息子は私を見上げて非難するように大声で叫びました。
「お母さんはおばあちゃんが死んじゃってもいいのかぁ。」 非難するように、ではなく完全に「非難」していました。
そのときの必死な顔と声を私はいまでも覚えています。
そう思って心配して必死にやっているのに、なのに母親は笑ってそれをしない。
どれだけ心配していたのだろうかと、いじらしくも思いました。私は非難されても仕方ないことをしていたということになります。
「そうだね。それは困るね。」そう言って一緒に親指隠しをして歩きました。子供心にそう解釈したのでしょう。そしてそれがどんなに困るか考えたのでしょう。大好きなおばあちゃんだもの。

だからわたしは今でも霊柩車に会うと、運転の最中でもそっと気付かれないようにハンドルの中で、親指を手のひらに丸めて隠すのです。少し緊張ながら。

息子は今どうでしょうか。たぶん、きっと今も・・・だっておばあちゃんには元気でいてほしいもの。

|

« 人間の性(さが)…収集癖 | トップページ | 『蛇の形』ミネット・ウォルターズ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

家族のテーブル」カテゴリの記事

コメント

私も未だにやってますよ、親指隠し。
毎朝、数軒のセレモニーホールの前を通ります。
亡くなった方の看板(とは言わないよねぇ)が立っていると、親指を隠して、とても変なハンドルの握り方。
あまり迷信とか信じる方じゃないけど、これだけは本能的にやってしまいます。
親はいつまでも元気でいて欲しいものね。

投稿: なおこ | 2006年1月28日 (土) 01時23分

わーい
なおこさん、お仲間。
「この指とまれ!」だね。
うちも近くにあるんです。葬祭場が。

投稿: いち | 2006年1月28日 (土) 15時48分

≪親指隠し≫全く、知りませんでした。息子さんの真剣な心配、とっても嬉しいですよね。表情が浮かんでくるようです。 もし、うっかり、親指隠しをしそびれても大丈夫! 安心して下さい。これまで一回もやったことなくても、私の母は87歳で今も生きてま〜す。父は5年前に88才で天寿まっとうでしたけれど… 心温まる言い伝えですね。

投稿: はてなのゆりさん | 2006年1月30日 (月) 12時10分

はーい、ゆりさん、こんにちは、お疲れ様。見つけてくれてありがとう。昨日はどうもありがとう、でした。あまり話できなかったけど、またね。

投稿: いち | 2006年1月30日 (月) 13時48分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 親指隠し:

« 人間の性(さが)…収集癖 | トップページ | 『蛇の形』ミネット・ウォルターズ »