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2006年1月28日 (土)

『蛇の形』ミネット・ウォルターズ

蛇の形」創元推理文庫、2004年7月  最後に来て停滞してしまった。
謎解きの最後はじっくりと読みたいと思ったから。

内容「ある雨の晩、ミセス・ラニラは、道ばたで隣人が死にかけているのに出くわしてしまう。警察の結論は交通事故死。だが、彼女には、隣人の死に際の表情が「なぜ私が殺されなければならないのか」と訴えていたように思えてならなかった。それから二十年後、ミセス・ラニラは殺人の証拠を求め、執念の捜査を開始する。人間の内に潜む邪悪なものを描き出す、ウォルターズの傑作長編。」

事件から20年たって動き出す。人の心には何年たっても癒えない傷もある。納得できなければ。
半分の部分が関係者とのメールなどのやりとりで表されていく。
その町の住民の心と暮らし。それぞれが絡まった糸のように、あるいはそうなるべく織り込まれ、暴かれていく。
始めに「KKK団のプロパガンダ」が載っていたのでその話かとも思ったが、直接にはそうではなかった。
しかし人の心にすむ「それ」もテーマではあった。

犯人は誰か、というミステリ本来の謎解きもさることながら、なぜミセス・ラニラはそこまでこの事件を追い続けるのか。
実際彼女はそのことで忘れてしまいたいような大変な被害をこうむってもいた。 長い年月持ち続けた事件への心。そこまでするのはなぜだろうか。
友人のため。正義のため。そして愛する人、一番身近な人から自分が信じてもらえないこと間違って思われることの哀しさ。悔しさ。などだろうか。
最後で彼女がなぜそこまで近所の住人の事件にのめり込むのか、がさらっと証される。
なぜかほわっとして、納得。
これまた映像で行くとその文章が読まれ、町並みが空へとパーンして・・・ 解決して爽快、だけとはいえないけど、泣いたあとの爽快感はある。
重厚感ある、しかしドンパチもない、不思議な心理ミステリ。
人の心の中を描く作者のあふれるものが出てくるのだろうか。悲しいほどの邪悪?な心の家族に誰が立ち向かうのか、埋もれてしまいそうになりながらがんばる。
それぞれの心理描写、人物描写は少し客観的で私には入り込みにくいところもあった。登場人物が多いからかな。

「蛇にはそれぞれ形がある、毒のあるやつを見分けられなかったら、命はない」

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コメント

ご家族やお友達に囲まれて、楽しい人生を
お過ごしの様子が伺え、心癒されました。
長野県の旅も楽しんでいらっしゃる様子で、
これからもどうぞ楽しんで下さい。
60代も後半になってしまったnogiku1です。

投稿: nogiku1 | 2006年1月29日 (日) 12時52分

野菊さんこんにちは
どうもありがとうございます。
そして、これからもどうぞよろしく!

投稿: いち | 2006年1月29日 (日) 21時40分

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