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2006年1月 5日 (木)

『氷の闇を越えて』スティーヴ・ハミルトン

わたしの心臓のそばには銃弾がある。14年前、警官時代にローズという男に撃たれたときのものだ。最近、私立探偵となったわたしの身辺で連続殺人が起き、自宅にローズと署名のある手紙が届いた。手紙には殺人は自分の犯行だとあった。刑務所にいるはずの男がなぜ?わたしは深い謎へと踏みこむが…探偵マクナイト登場。1999年アメリカ探偵作家クラブ賞、アメリカ私立探偵作家クラブ賞受賞作。私立探偵小説コンテスト最優秀作。

ハヤカワ文庫 2000年4月 
ほとんど一日で一気に読めた。(返す関係もあったのだが。)今まで読んだサイコサスペンスのような乗り慣れたジェットコースターに乗った気分。
探偵ものの伝統を守りつつ、そこここでその期待を裏切る。
誰かが10年前の設定のようだ、と感想を述べていたが、それが読者を安心させるのかもしれない。
どこかで読んだ本と似た展開になるのかな、そう思いつつ読み進むとそれは見事に予想に反していく。
文体はシンプルで人物描写に多くを割いてはいない。
しかし、それがインパクトになり人物は生きてくる。読み手のリズムも乗っていける。
「刑務所からの犯行」はそこから別の展開をしていく。5分の一ほど残して解決してしまうから、読者はその先を読もうとする。その予想が当たっているかどうか。親友の奥さんとの愛が中途半端な書き込み、先を読者に預けるのかな。
恐怖をかかえた元刑事の主人公が他人に恐怖を預けることで立ち直り、最後には先の展開を思わせて終わる。彼の痛みも伝わってはらはらどきどき。
「ノーセカンドチャンス」の主人公ではその点がきれいすぎて痛みが伝わらなかった。彼(ハーラン・コーベン)の色だろうか。 氷の闇を越えて

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