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2005年12月25日 (日)

映画「永遠のマリアカラス」

原題 : Callas Forever 監督 : フランコ・ゼフィレッリ 脚本 : マーティン・シャーマン 音楽 : ユージーン・コーン 出演 : ファニー・アルダン , ジェレミー・アイアンズ , ジョーン・プローライト , ジェイ・ローダン  収録時間 : 104分  2002年 
「15歳でデビューし、瞬く間に頂点へと登りつめた20世紀を代表するオペラ歌手、マリア・カラスの生誕80年記念作品となるドラマ。1970年代のパリ。声を失い、隠遁生活を送っていたマリアが、かつての情熱と誇りを取り戻そうとする姿を描く。」 
 世界的歌姫マリアカラス(1923-1977)。その後半生をフィクションを交えて描く。日本での公演(1974年)は声が出なくて最悪だったと言い、オナシスとの別れもあって、彼女はそれを最後に隠遁生活を送っている。(これは事実で、しかも観衆は大喝采をした。これがまた誇りを傷つけたらしい。)
そこにやってきた嘗てのプロモーター。 すでに全盛期を超えていて絶望していたカラスにカルメンの映画の話をもちこむ。彼女は制作過程の中でもとの輝きを取り戻していく。しかしその映画の声は全盛期のものをのせるものだった。 
そして彼女はできあがったすばらしいカルメンの映画の公開を断る。
それは彼女の人間としてのプライドなのか、芸術家としてのそれなのか。 世界中を魅了するその声はすばらしい。魂の歌声だ。しかしその声が衰えたときその存在は、過去のものとなってしまう。俳優ならそれなりの味で生き続けることができるが。 今の自分の声で映画を作りたいと願うが受け入れられない。興業としては成り立たないのだ。
その映画の自分は真実ではないと考える。今でも口パクというものがあるが、芸術家の誇りがそれをさせない。この企画は悪魔の誘いだったのかもしれない。プロモーターもそれを理解する。華麗な人生が加齢によって崩れていくという不安、おそれ。落ちていく力量をどこまで自分で許せるか。 その中でどう自分を持って生きていくか。

普通の人間である私はその年なりで良いと考える。(開き直りとも言う。)
長年使ってきたこの体、古くなるのは仕方ない、その年なりの経験や深みで違う面が出ればいいと思う。(ますます開き直りだ!)
単に見た目の若さのみが良いとは思わない。(はい、はい)
しかし、彼女は人間としてはそれで良いのかもしれないが、世間に認められる芸術家としては難しいのだ。
「普通の女であれば幸せだったのに。」彼女は言う。
だからこその栄光と苦悩、孤独と喝采。 そして、彼女は人間として真実に生きることを選ぶ。「私は私」その誇りかもしれない。
伝説的な歌姫の晩年を彼女の友人だった監督が創作も織り交ぜ、愛を込めて作る。映画全編を流れるカラスの歌声はすばらしい。心の底からしみいる声だ。
監督は彼女の友人。この映画は彼が晩年の苦悩の人生にもう一度明るい舞台への希望を示し、救いとしたのかもしれない。彼女の死にもう一度芸術家としてのスポットライトをあてたかったのかもしれない。そんな願いが漂う映画。
1977年9月16日才能に恵まれた波乱のその生涯を終える。54歳。

しかし我々だれにでも忍び寄る年をとるということ。(当たり前だ。) その中でどう生きるか、何を持って生きる価値とするか考えさせるものでもあった。
エイズを扱った「フィラデルフィア」で主人公が病を知って一人涙する場面での「アリア」は本当にすばらしかった。
彼の悲しみ、あふれる思い、涙の海を漂う気持ちが観賞する者にも伝わってきた。言葉で言わなくても分かる、音楽のすばらしさである。
確かに魂を揺さぶる声。今までカラスを選んで聞くことはなかったが、この映画で堪能した。
しかし、のんきな私は魂がしょっちゅう深く揺さぶられていては落ち込んでしまうかもしれない。くすぐる程度でも良いな。元気の出るロックも良いですよ。

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コメント

はじめましてTBさせていただきました。
ゼッフィレッリの自伝によると、カラスは歌手としての野心より、普通の女性としての幸せを夢見ていたようです。
才能がありすぎるのも、哀しいですね。

投稿: マヤ | 2006年1月23日 (月) 16時13分

才能がありすぎるのも・・・
確かに「平凡な暮らし」をありがたく思って生きたいと思います。

投稿: itti5 | 2006年1月23日 (月) 16時33分

先日はコメント&TBありがとうございました。
ゼッフィレッリの自伝紹介もUPしましたので、是非!

投稿: マヤ | 2006年2月 8日 (水) 15時20分

新情報どうもありがとうございました。読みに行きます。

投稿: | 2006年2月 8日 (水) 16時32分

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