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2005年11月21日 (月)

「死との抱擁」バーバラ・ヴァイン

死との抱擁長くかかってしまった。
静かな日曜の朝読み終えたとき、「静かな女性の声で長い物語が語り終え、緑の庭が見える窓にふわりと風が吹きカーテンがそよいで、誰もいない庭と室内が映し出される。」そんな映像を思った。
「めぐり会う時間たち」のような色彩かな。
長い話を聞き終わって悲しみが心の底に落ちていった気分。
後書きにあるようにはじめは人物関係や物語の輪郭がつかみにくく登場人物欄を幾度戻ってみたことか。
細切れの時間で読むものでは無かった。
後半は一気に読めた。読むべきであった。
イギリスの大戦前後の暮らしや風俗階級意識などが書かれていく。
仲の良い姉妹、兄妹などの家族を廻る複雑な心情。
その中でどこでもいつでもある人間一人一人の持つ人格の違い、趣味や好みの違い、生き方の違いが小さくぶつかり時には不必要なまでに衝突する。
でもその先にあの悲劇があるのだろうか。
誰もが持っていそうな感情、あるいはどこかにありそうな秘密。
ちょっとした異様さや少しだけ極端なくせ、そんなものが収まりきらずにふくらんで互いを刺激しあっていく。 

現在の様々な悲しい事件を見聞きするたびに何でそうなってしまったのだろうか、と思うが、同じように何かの歯車がずれてしまっただけなのかもしれない。
誰かがうまくまとめてあげられたら、そう思う事件はあまりにも多い。
そんなことをずっと前から考えていた作家ということかな。
イギリス独特の色の映像で読み終えたミステリ作家「ルース・レンデル」のこの名義での第一作。

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